トレーニングを行う女性

 

将来の目標に向かってトレーニングをしている、10代の女性がお母様と共に来院されました。

 

肩こりが辛かったので、トレーニングジムの「整体もやってます」というトレーナーの施術を受けたそうです。

 

肩・肩甲骨周りを念入りにほぐしてもらったその日の夜。

 

入浴中に右肩と肩甲骨周りが急に痛くなり、シャンプーやドライヤーの動作、腕を挙げるのが辛くなりました。

 

肩や肩甲骨周りが痛い状況でしたが、痛みを我慢しながらトレーニングを続けました。

 

ある日、ジムで持ち上げたバーベルを降ろした時に右の親指がしびれはじめて、当院に来院されました。

 

肩と肩甲骨周りの痛みの原因は?

結論から言いますと、ジムのトレーナーの施術で肩や肩甲骨周りの筋肉・神経に炎症が起きてしまった状態でした。

 

そのトレーナーの施術は何回か受けていたそうですが、その日はとくに集中的に辛い部分をほぐしたようです。

 

筋肉をほぐす量の見極め、筋肉にダメージを与えないアプローチの技術がないとこのような結果になります。

 

肩甲骨を動かす筋肉と神経に炎症が起きたことにより、神経は肩の関節や腕までつながっているので、関節の動きも悪くなり、腕が挙がらない状態になっていました。

 

親指のしびれの原因は?

神経に炎症が起きると、神経の伸び縮みする力が低下します。イメージすると、「劣化した硬いゴム」のようなイメージです。

 

神経は首から肩甲骨、指の先まで繋がっています。

 

バーベルを勢いよく降ろした時に、硬くなった神経が急激に伸ばされ、神経にダメージがかかってしびれが出ていました。

 

当院で施術を行って改善するまでの経過

1回目

初来院の当日はすでに肩周りの筋肉の炎症は無くなっていましたが、炎症が起きた筋肉と神経は硬くなってしまっていました。

 

筋肉と神経の機能を回復させるように、慎重にアプローチを行っていきました。

 

筋肉や神経も上手く働いてないので、運動は禁止させていただきました。

 

2回目

痛みを感じるポイントが背中側ではなく、肩の前の方に変化していました。

 

筋肉と神経の柔軟性が回復してきている証拠です。

 

アプローチするポイントも変え、神経の機能を回復させる為の自宅での宿題を出させていただきました。

 

3回目

肩周りの痛みと親指のしびれは無くなっていました。筋肉の柔軟性が取り戻せた状態です。

 

来院された時に、「痛くはないんですけど、右腕が挙げづらい。動かし方を忘れてしまった感じです。」と仰っていました。

 

身体をチェックしてみると、肩の関節を支えている「ローテーターカフ」という部分が上手く動いてない状態でした。ローテーターカフとは、肩のインナーマッスルと考えていただければよいと思います。

 

あとは、筋肉を動かす神経の機能がまだ完全には回復していませんでした。

 

肩の関節の動きを調整し、損傷した神経の機能の回復にはもう少し時間がかかることを説明し、トレーニングの負荷も調整して行うようにお伝えさせていだきました。

 

順調に回復しているので、この調子でいくともう少しで以前のようにトレーニングが出来るようになるでしょう。

 

まとめ

筋肉をほぐすというのは、とても繊細な技術と体に関する知識が必要です。

 

今回のように未熟な技術でアプローチすると、体を傷つけ、良くなるどころか悪化してしまいます。

 

体を任せる先生はしっかり選ぶようにしましょう。

 

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