症状

 

1年程前、シャワー中に後ろにある物を取った時に右肩関節を痛める。

手を挙げる(挙上)、後ろに回す(結滞)、外に開く動作がしづらく、可動域の制限がある。

 

分析

 

挙上時のアライメント不良

 →棘上筋腱の損傷(1年前)

 →肩峰下包の癒着による外旋制限

 →後方関節包の硬さによる結滞動作の制限

 

施術内容・経過

 

1回目

固まっている筋肉、関節の調整を行う。

 

2~5回目

ピラティスの先生より、体のバランスが良くなっていると言われる。

冷えると、肩関節前面が痛む。

挙上の可動性が徐々に改善する。

 

治療

疼痛または可動域制限の原因となっている筋を中心にアプローチする。

深層の筋肉を強化するためのトレーニングを指導する。

 
 

6・7回目

時々、瞬間の動きで痛み出現。

挙上の可動域は大幅に改善する。

後ろで手を結ぶ動作の時、右三角筋部に若干の違和感あり。

 

治療

引き続き、筋肉のアプローチをしながらチューブでの筋力トレーニングを行う。

 
 

8~10回目

動きは良くなったが痛みは残存する。

 →服を脱ぐときに痛みが生じやすいので両手を使っている。

冷房により左肩関節が冷えたため疼痛出現。

夜間痛は時々あり。

 

 

11~14回目

下の物を取る際、左の肋骨部を痛めるが1,2週で問題なし。

整形外科にて強制的に右肩を動かされたが、その後悪化はしていない。

全身のメンテナンスを適宜行いながら肩関節の治療を行う。

 

治療

肩関節:深層の細かい筋肉を使わせるトレーニングを数種類行う。

 


15回目


右肩関節の可動性がアップする。(特に挙上)

服を脱ぐときの動作が問題なくなる。

 

 

16~18回目

右肩の状態はほぼ問題なし。

肩こりも落ち着いている感覚あり。

腰部の重だるさあり。

 

治療

続けて筋深層のトレーニングを行う。

 

担当者よりコメント

 

関節を痛めてから長期間が経過すればするほど関与する筋肉は硬さを増し、関節の拘縮が起こり、可動域の制限が顕著に起こります。それを無理に動かそうとすると炎症が出現し悪化してしまいます。

痛みの出ている原因を正確に分析して正しくアプローチしていくことが必要です。

また、関節の状況に応じたトレーニングを正しいフォームで行うことも可動域を上げる重要な要素です。

今後も右肩の状態が悪化しない様、トレーニングを続けながら体のメンテナンスをしていきましょう。